2月17日(火)
横浜地裁へ。 戦時下最大の言論弾圧事件「横浜事件」。 治安維持法違反で1945年9月に有罪が確定した、 故小野康人さんの名誉回復を求めての、 第4次再審の初公判があった。 康人さんの次男である新一さんに、 前職で大変お世話になった。 講談のネタになるかもしれないからおいで、 と、誘われた。 その新一さんは、父親の、 妹さんが、母親の口述書を証言台で代読。 父親の死後、母が、そして母の死後、 新一さんと妹さんが父親の名誉回復に力を尽くしてきた。 裁判所は、旧刑事訴訟法の規定通り、 「免訴」を言い渡してきたが、 遺族は「無罪」を求めている。 当然のことだと思う。 「無罪」で初めて名誉回復だ。 「無罪」で初めて解決だ。 今回、従来通り、「免訴」となるのか、 一歩進んだ形で、「無罪」を言い渡すのか。 3月30日の裁判長の判断が注目される。 新一さんは3月31日で定年退職だそうだ。 戦時下のことが、まだ息子の時代になっても解決していない。 戦争が、息子の代でまだ終わっていない。 息子の定年退職の前に「無罪」という結論で終わるのか、 退職前に解決できなかった、という結論になるのか。 これは非常に大きい。 言論弾圧事件は、記者にとって他人ごとではないはずだ。 「報道」と書かれた黄色い腕章をつけて、 優先的に傍聴席に座った、若い記者たちは どう感じたんだろうか。 法律の規定通りの「免訴」という結論を これまで出してきた裁判所をどう思っているのか。 名誉回復がこんなにも長くされないままになっている、という状態を、 ジャーナリストとしてどう思っているのか。 こみあげる「怒り」のような、「熱い」ものを持って、 傍聴席に、あるいはその後の記者会見にのぞんいるのだろうか。
by ryoukakunokai
| 2009-02-17 23:58
| 凌鶴日記
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