3月27日(火)
一龍斎貞心先生宅へ。 「沢村淀五郎」の稽古。 覚えて臨んだつもりなのに、 出てこないところが数か所。 結局、本を見て読む。 様々な癖の指摘。 人物をどのように描いていくか。 人物の気持ち。 テンポ。 声の高さ、低さ。 役者の台詞。 メリハリ。 何一つうまくいかない。 「もっと言葉を大切にしなさいよ」 「役者だったら、しかも出てくるのは一流役者なんだから、 丁寧な言葉を使うはずだ」 「誰だい?淀五郎さんか、何か用かぃ?」 何を訊きにきたか百も承知で、何か用かと聴いているのだ、 こういう説明を受けるたびに、 先生なりの練り上げ方を感じる。 深い。 さすが先生だな~。 「判官さんになっちゃいないんだよ」 という団蔵のセリフ。 「お前さんにはまだ、判官さんの性根ってものができてないね」 という仲蔵のセリフ。 これを読むたびに、 まるで自分が言われているように感じる。 先生は、仲蔵のように、 懇切丁寧に教えて下さる。 でも全くできていない。 「なんで、こんな大根、名題に引き上げてまで、 大役振っちまったんだい」 団蔵のセリフ。 「なるほど淀さん、マズイね~」 「なるほど凌鶴、マズイね~全く、 団蔵にも仲蔵にも淀五郎にも 何にもなっちゃいないね~」 そんなふうに聞こえる。 録音した自分の調子、 マズイどころではない。 まず過ぎる。
by ryoukakunokai
| 2012-03-27 23:42
| 凌鶴日記
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