9月10日(月)
「牡丹燈記」の稽古。 中国のお話。 これをもとに、三遊亭円朝が 「牡丹燈籠」を作ったと言われている。 「牡丹燈記」は主人公が最後、 骨を抱いて死んでしまう。 これを最初読んだときに、 あ、これはどこかで見たような設定だぞ、と思った。 そしてしばらく経って、 手塚治虫の『火の鳥』だと気がついた。 主人公の目には、一人の女性に見えるのだが、 他の人からはロボットにしか見えない。 そしてある日、主人公の死体が、 ロボットを抱いている状態で発見される。 おそらく手塚治虫は「牡丹燈籠」または「牡丹燈記」を 参考にしたのではないだろうか。 「牡丹燈籠」「牡丹燈記」に対して敬意を表し、 別の設定で表現をしているんだと思う。 これを、オマージュ、って言ったと思った、映画で。 単なるパクリ、とは違う。 なるほどこういう状況で、アレを使いよったか、 この監督も、アレが好きだったか、 と観客は感動する。 子どもの頃、熱中して『火の鳥』を読んだが、 それには気がつかなかった。 「牡丹燈籠」も「牡丹燈記」も知らなかったから。 知らなくても、むさぼり読んだ。 でも大人は、ああ、「牡丹燈籠」を使ってるな、 と、思って、ニンマリしたんだね、きっと。 ちなみに凌鶴の時事ネタ新作講談も、 いろいろなものを下敷きにして、敬意を払って・・・ いや、正確には、新作を考えているときに、 ああ、この落語の展開に似ているぞ、とか この講談の筋がピッタリではないか、 と、ひらめくのである。 だから敬意は、それほど払ってないのかもしれない。 「天才清原物語」→落語「天災」 「三百万ミルキー」→落語「千両みかん」 「前座ポスト」→講談「紅緒の草履(名人小団次)」 「正直講釈師」→講談「正直俥夫」 「羽賀家の鬼夫婦」→講談「伊達家の鬼夫婦」 「赤城大臣と死神」→落語「死神」 手塚治虫のストーリー展開のレベルには 到底達していないことは言うまでもない。
by ryoukakunokai
| 2007-09-10 12:13
| 凌鶴日記
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