7月15日(火)
府中市民球場で、母校の試合。 夏の甲子園の地区予選、西東京大会。 元高校球児としては、見に行かなきゃ と、さっそく見に行った。 10何年ぶりだと思う。 いやもっとになるだろうか。 都立だから、甲子園にはまず行けないのはわかっているのだが、 とにかくヒットを打てない。 出ても内野安打。 相手は「私立」だけど、 強豪で有名な私立という訳ではない。 3回にエラーで出たランナーを二つのバントで3塁に進めるという、 いくら打てないからといって、なんとも情けない攻め方だ。 しょっちゅう相手に四球を与えている。 相手チームも飛び出したり、エラーしたり、 たいしたチームではない。 投手もそれほどスピードがあるという訳でもない。 にもかかわらず、打てない。 で、試合は1対2で負け。 最終回、こちらの最後攻撃に入ろうというその前、 ちょうど、プレイボールになる前に相手が練習をしている時、 何と、我が後輩たちが、全員バットを持って、 ベンチ前で素振りをし出した。 お〜、なんだこのパフォーマンスは。 自分達で考えたんだろうか。 次の試合を待つ高校の選手だろうか。 21番ばっかり。 ベンチ入りは20人しか出来ないから、 それに漏れた人達は、みんなが21番目だ、 という意味だろうか。 9回、隣に座っていたおじさんが、 「そういう態度は良くないな〜。 打てないのはお前のせいだ」 と、言った。 「どうしたんですか」 「あいつ、1塁ベース手前で、 かぶっていたヘルメットを地面に叩き付けやがって」 一瞬別のほうを見ていて気づかなかったのだが、 どうやらわが母校の後輩が、打ち損じて、 悔しさのあまり、ヘルメットを地面に叩き付けたようだ。 我々は、もっと道具を大事にしたけどね。 スパイクもグラブも磨いて、 「子どものように」扱ってればうまくなる、 こう言われたものだ。 いつからそんなふうになっちゃったんだろう。 幸い日陰で観戦できたが、 直射日光をあびながら応援をする一団があった。 揃いのTシャツ、帽子の大人たちの集団。 「父兄会」とTシャツに書いてある。 試合終了後、数名の選手は泣き崩れていた。 この試合で負けると、3年生は引退だからだ。 「父兄会」の皆さんの中にも、 目を真っ赤にしている人がいた。 今回彼らは既に一回勝っている。 我々は3年間初戦敗退だった。 我々よりえらい。 しかもこっちはベンチ入りしたものの、補欠だった。 だからレギュラークラスは皆泣いていたが、 こっちは涙も出なかった。 涙を流すスタートラインに立っていなかったのだ。 つまり懐かしい思い出になっていないのだ。 苦い、悔しい思い出でしかない。 だから卒業後、数回見に来たものの、 その悔しい思い出がよぎるから、 それから数年、足が遠のいてしまうのだ。 見に来ても、心の中で試合にダメ出しをし、 ケチをつけている。 いい大人になって、吹っ切れていない自分が 嫌になってしまうのだ。 やっぱりもう見に来ないだろう。 あ、でもOB会に呼ばれて講談を一席ってことになれば、 喜んで伺うつもりだ。
by ryoukakunokai
| 2008-07-15 15:05
| 凌鶴日記
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